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会社設立回想録6 創業(初めてのPC)
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20年目の独り言6 創業(初めてのPC98)

会社を辞めて、少ない軍資金が尽きかけた頃その電話はかかってきた。

「もう一度話を聞きたいんだが・・・」

この電話によって、私は再びサラリーマンに戻らずにすんだ。

もしこの時、電話が掛かってこなかったら
私は今どうしてたであろうか?
ある意味では早すぎた創業のため社会を知らぬ間に過ごしてきた。
あと2~3年くらい企業人を過ごしてきても良かったかもしれない。
ただ私の性格からすると、企業の下で働けるとも思えない。
そう考えると、妥当な時期だったのかもしれない。

お店との商談は順調に進み、すぐに導入が決定した。
とはいえ、導入が決まったからにはやらなければいけない作業がたくさんあった。

レンタルショップの場合、
何千本もの商品や何千人もの顧客の登録が必要となる。
そしてその登録された商品をバーコードに印刷し
ビデオにバーコードを貼る必要がある。
その作業をすべて終えないと納品することが出来なかった。

その時まだ、私はパソコンを持っていなかった。
システムの営業をしてるのに、そのシステムを持っていなかったのである。
パソコンは、実売価格で30万円前後もし、簡単に買える額ではなかった。

脱サラして唯一失敗したなと思ったことがある。
クレジットカードを一枚も持ってなかったことである。
サラリーマンのときはあれほどクレジットカードを薦められたのに
カードが嫌で一枚も作っていなかった。
脱サラして、カードを作ろうと思ったらことごとく断られた。
この事態は、起業して4~5年続いた。
会社を興して4、5年経ってやっと作ることが出来た。
若く、そして起業したばかりのときは仕方が無いことでもあった。

契約によって、半金を前払いで頂くことが出来た。
私はそのお金を持って秋葉原にパソコンNEC9801VM2を買いに行った。
そして初めて私の事務所(アパート)にパソコンが設置された。
お客様へ納品するためのパソコンであった。

お客様からお預りしたパソコンは昼夜を問わず大いに活躍した。
昼間、私はそのパソコンを持ち出し、他のお店にデモを見せるため走り回った。
納品してしまっては、デモを見せることが出来なくなる。
デモンストレーションはお客様に商品を見てもらえる最大のチャンスだった。

夜は、大学時代の後輩を二人、アルバイトとして雇った。
彼らは私のアパートで、夜中に徹夜で打ち込み作業をおこなった。
私はその傍らで睡眠を取った。
そんな、デモ、打ち込みの平行作業は、約一ヶ月続いた。

商品の登録作業が終わると、ドットプリンタでバーコードを打ち出した。
バーコードの打ち出しはプリンタが途中で熱で悲鳴を上げストップした。
打ち出したバーコードを商品に貼る作業は巨大なカルタ取りだった。
タイトルを見て何千本もある商品の中から探さなければいけない。
特にアダルトビデオは、タイトルに脈絡が無く難儀した。

納品までの1ヶ月の間、
私はお客様に納品するパソコンを使って
デモ、注文、打ち込み、バーコード貼り、納品、このサイクルを何回か繰り返した。
そして数ヶ月もすると、やっと自分のパソコンをもてるようになった。
NEC9801VM2である。
これにより、お客様のパソコンを使わなくても、デモや打ち込み
見積等がかけるようになった。

創業から半年後の1986年の秋
私は狭くなったアパート兼事務所を板橋区常盤台に引っ越した。
6畳のアパートがたった10畳になっただけだったが
打ち合わせをするスペースが確保できた。

私にはここに移ってやりたいことがあった。

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by h_chuman | 2006-08-08 16:17 | 会社設立回想録
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